【第7回】バチャータについて知りたい!バチャータ好きの僕がバチャータとは何かお話しします。

ラテンダンス
いぬ
いぬ

おっえらいゆっくりな曲だな~、どんな曲でもガンガン踊るぜ!

うさぎ
うさぎ

ちょっと君~、これはサルサじゃなくて”バチャータ”よ。

いぬ
いぬ

バチャータ???なんだそれは。ここはサルサバーじゃないのか??

サルサバーに行ったあなたは、これまでのノリノリでテンションが上がりそうなサルサとは一味違うスローテンポロマンチックな雰囲気の曲を聴くことになるでしょう。

その曲こそがバチャータであり、今やサルサバーであっても一定の割合でかけられる人気を博しています。

初めのうちは聞き分けることも難しいかもしれませんが、その特徴についてお話していきましょう。

バチャータについて知ろう

音楽の歴史

バチャータの音楽とダンスがどのように進化してきたのか参考になる動画です。

まずバチャータという音楽について。
サルサがキューバのソンやソウル、ジャズなどを取り入れながらNYのプエルトリコ移民達の間で作られたのに対して、バチャータは1960年代にボレロソン(後にメレンゲ)の影響を受けてドミニカ共和国で誕生しました。

最初のレコードは1962年にホセ・マヌエル・コルデロンによって作られた作品だそうです。この頃は単純なボレロの派生した形として認識されており、バチャータというのはもともとは単なる「質素なパーティ」を表す単語でした。

当時の上流階級の人たちがこの新しい音楽をネガキャンするために後進的なものであるとみなしバチャータと名付けました。そしてバチャータというダンスはこの下流階級の人たちのバチャータ(パーティの意)で踊るダンスとして発展しました。そして上流階級の人々はバチャータの音楽を聴くことも踊ることもしませんでした。

そしてバチャータの曲を作る人たちは十分な教養を持たない層であったことから、曲の内容は欲望犯罪といったテーマがメインでした。

そしてバチャータのダンスシーンにおける人気は高まり、現代ではJuan Luis Guerraが1992年にグラミー賞を受賞。21世紀になって現代バチャータ音楽のパイオニアとなったグループバンド“Aventura”そのボーカルのRomeo SantosPrince Royceをはじめとするアメリカの様々なアーティストによって今日のバチャータ音楽が作られてきました。

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楽器

バチャータに用いられる楽器
  • Requinto (lead guitar)[レキント]
  • Segunda (rhythm guitar)[リズムギター]
  • bass guitar[ベースギター]
  • bongos[ボンゴ]
  • güira[ギラ]
主にはこれらの5つです。

動画の左からボンゴギラレキントリズムギターベースギターです。
動画でも述べられているのですが、バチャータにはDerecho, Majao, Mamboの基本的なリズムパターンがあります。
なので慣れている人であれば自然とサルサとバチャータを聞き分けることができるということですね。

もちろんこれらの基本となる楽器に+αピアノやシンセサイザー、ホーン系の楽器など様々な楽器が加わることがあります。

基本のステップ

基本のステップはサルサが前後にステップを踏んで戻してを繰り返すのに対してバチャータは横移動が基本です。8カウントを基本とするのはサルサと同様で、男性は左足を左に出すところからスタートし、4カウントで折り返し8カウントで元の位置まで戻ってきます。その際、1,2,3で左、右、左と交互にステップを踏み4カウントで右足をつま先で床にタップします。そして今度はその右足を右出しながら5,6,7で右、左、右と交互にステップを踏み出し8カウントで左足のつま先を床にタップしてこれらを一つのベーシックステップとします。
女性はこのステップを右足から右方向に踏み出すことで男性と鏡合わせの動きになります。

これを手と手を繋いだ→オープンポジション
男性が右手を女性の背中にホールドし、女性が左腕を肩に乗せる→クローズドポジション

これらのポジションを使い分けて踊ります。

種類

音楽がドミニカ共和国以外にも広まると、やはりそれぞれの地域ごとに独自の発展を遂げていきます。踊り方のスタイルもその音楽によって形を変えてきました。音楽がダンスに影響を及ぼし時にはダンスが音楽に影響しながら発展していきます。ここではそれらのダンスの違いに注目してみましょう。

  • ドミニカンバチャータ(Dominican Bachata)
  • モダンバチャータ(Modern Bachata)
  • センシュアルバチャータ(Sensual Bachata)
  • フュージョンバチャータ(Fusion Bachata)

 ドミニカンバチャータ(Dominican Bachata)

ドミニカンスタイルの特徴として曲のテンポが少し早めなことが挙げられます。BPM120-140くらいでしょうか。さらに曲の中でRequinto(リードギター)の役割が大きく、それに合わせてステップを踏むので通常の1,2,3,4の間にもステップを踏んで1,and,2,and,3,and,4,and8ステップ踏んだり1,2,3,and,43,and,4の部分でチャチャチャとチャチャステップを入れたりします。
またそのためステップが小刻みになるので女性のターンはあまり多くありません

 モダンバチャータ(Modern Bachata)

モダンバチャータの始まりは2000年代といわれています。この動画のオリジナルバージョンが投稿されたのが2008年です。

特徴としては音楽の中にRequinto(リードギター)のソロなどは入ってますが、それ以外のパートでは全体的にしっとりとしたロマンティックな印象を受けます。

ダンスの特徴としては1,and,3や3,and,4にチャチャステップを入れたりしつつ、女性のヒップモーションがかなり強調されているのがうかがえます。さらに全体的には女性をターンさせたり男性が自らターンしたり、サルサのトリックが多く含まれています。また女性の背後に構えるシャドーポジションやその逆のポジションが取り入れられていたり、曲のブレイクポイントでディップなどの技が組み込まれている点がドミニカンスタイルと大きく異なる点です。

 センシュアルバチャータ(Sensual Bachata)

センシュアルバチャータはスペインのKorke and Judithによって創られました。

Bachata Sensual was born in Cádiz more than 15 years ago. Founded and developed by Jorge Escalona (Korke). Salsa, latin dance’s…

Bachata Sensual offcial site

Korke自身のofficialサイトによると2005年以前に生まれたものと書かれています。
サルサだけでなくズークなどのダンスの要素を取り入れて、より長い時間をかけたムーブメントアイソレーションなどで音楽に合わせるスタイルです。女性をより一層美しく、官能的(Sensual)に見せることができます。

フュージョンバチャータ(Fusion Bachata)

最後に一番新しいフュージョンバチャータをご紹介します。
諸説あるかもしれませんが、僕の感覚でお話しすると始まりは2015年頃でしょうか。

Prince Royceがビルボードランキング1位を獲得するなどしてバチャータという音楽が世界中に広く知れ渡ることになります。このあたりからもともとPopsの歌手だったアーティストがバチャータの曲を作ったり、Popsの曲でバチャータが踊れるようにRemixを作成したりとバチャータの音楽自体が大衆化していきます。すると今度はダンスの方にも影響が現れます。これまでの伝統的な楽器に合わせる動きだけでなく、メロディやボーカルに合わせたムーブメントや、ヒップホップ、その他ダンスの要素を取り入れた派手な動きが加わるようになって生まれたのがフュージョンバチャータです。

おわりに

いかがだったでしょうか。バチャータについて理解は深められたでしょうか?
ダンスに限らず音楽の歴史にも触れ現在に至るまでのバチャータの流れを見てきました。

バチャータを始めようと思っていた方は「結局どのスタイルを習えばいいの?」と逆に困惑してしまったかもしれません。しかしサルサと違ってスタイルが違うと踊れないというわけではないですし、サルサバーではどのスタイルのバチャータもかかります。大事なのは男性も女性も音楽を聴いて音楽に合わせて踊るということです。これらの違いはただの枠組みに過ぎず、全ては流れを一にする”バチャータ”です。「このスタイルが良い悪い」とか「このスタイルしか踊れない…」ではなく音楽に合わせた踊りを楽しめるように頑張りましょう。

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